「何回会っていれば、配偶者ビザは取れますか」——ご相談で、いちばん多い質問のひとつです。
先にお答えしておくと、「何回以上なら許可」という決まりはありません。法令にも、公表されている基準にも、そんな数字は書かれていないからです。
それでも、この質問がなくならないのには理由があります。会った回数が少ないと、実際に審査は厳しくなるからです。この記事では、そこで何が見られているのかを整理します。
【まずイメージから】
入管は、回数を数えているわけではありません。
その回数から、二人が本当に夫婦として歩んできたかを読み取ろうとしています。
第1 なぜ、回数を聞かれるのか
1 質問書には、回数を書く欄があります
配偶者ビザの申請では、入管の様式である質問書を提出します。そのなかに、回数を書く欄が2つあります。
- 設問7 外国人の方がこれまでに日本へ来た回数と時期、そして来日の目的
- 設問8 日本人の側が相手の母国へ行った回数——しかも「知り合ってから結婚まで」と「結婚後」に分けて
わざわざ結婚の前後で分けているところに、この欄の狙いが表れています。結婚を決めるまでに、どれだけ時間と労力をかけたのか。それが知りたいのです。
2 見られているのは「結婚の信憑性」です
配偶者ビザの審査で、いちばん重いのはその結婚が本当のものかどうかです。収入や在留状況も見られますが、結婚そのものが疑われてしまえば、ほかがどれだけ整っていても許可は出ません。
これは、外国人の方を疑ってかかっているというより、制度の側の事情です。在留資格を得ることだけを目的とした形だけの結婚が、現実に存在するからです。そのため入管は、書類のうえで結婚の実体を確かめようとします。
そして、書類のうえで実体を測る材料のひとつが、回数なのです。回数そのものに意味があるのではなく、回数から読み取れるものが見られています。
第2 同じ「2回」でも、意味が違います
「2回しか会っていないのですが、無理でしょうか」とご相談を受けたとき、私たちはすぐに「厳しいです」とは申し上げません。まず、その2回の中身をうかがいます。
1 1回の長さ
Aさんの「2回」
1回目は2週間の滞在で、その間ほぼ毎日一緒に過ごした。2回目も10日ほど滞在した。
Bさんの「2回」
1回目は1泊2日。2回目も2泊3日で、それぞれ短い滞在だった。
同じ「2回」と書かれていても、一緒に過ごした日数はまるで違います。前者は延べ1か月近く生活をともにしていて、後者は数日です。
質問書の設問7・8は、回数だけでなく「いつからいつまで」という期間を書かせる形式になっています。長さが見られているということです。
2 会えなかった事情があるか
回数が少ない方のほとんどは、遠く離れて暮らしていたケースです。相手が海外にいれば、会うのに飛行機代も休暇も要ります。そう何度も往復できるものではありません。
この事情は、審査でも考慮されうるものです。会えなかったことと、関係が薄いことは、同じではないからです。大切なのは、会えない期間をどう過ごしてきたのか、という点になります。
3 会っていない期間に、何があったか
年に1〜2回しか会えなくても、その間ずっと連絡を取り合い、互いの家族とも行き来があり、将来の話を重ねてきた——そうした関係は、回数の少なさとは別のところで伝わります。
逆に、会った回数が多くても、それぞれが単発で、周囲の誰も二人の関係を知らないという状態であれば、回数ほどには評価されません。
「うちの回数で、出して大丈夫でしょうか」
回数だけでは判断できません。これまでの経緯をうかがったうえで、いま出すべきか、少し待つべきかをお伝えします。初回相談は無料です。
第3 回数が少なくなりやすい3つのかたち
1 遠距離のまま結婚した
いちばん多いかたちです。日本人が日本にいて、相手は海外。会うたびに渡航が必要なので、回数は自然と少なくなります。
この場合は、海外から呼び寄せる申請(在留資格認定証明書交付申請)になります。二人がまだ一緒に暮らしていない状態で申請することになるため、これまでの経緯の説明が、より大切になります。
2 紹介や仲介を通じて出会った
結婚相談所や国際結婚の仲介会社を通じた出会いでは、最初から結婚を前提に話が進みます。1〜2回顔を合わせて結婚を決める、ということも起こります。
仲介会社にとっては、早く成婚に至ることが事業として自然です。ただ、その速さは入管の目には別のものに映ります。制度としては、そこを確かめないわけにいかないからです。
紹介を受けたこと自体は、まったく問題ありません。質問書にも紹介者を書く欄があり、正直に書くことが前提です。問題になるのは、出会いから結婚までが極端に短い場合です。
3 交際期間そのものが短い
知り合ってから数か月、あるいは1か月ほどで結婚届を出した、というケースです。日本人同士でも起こることですが、配偶者ビザの審査では、それだけで説明を求められる材料になります。
とくに、初めて実際に会う前から結婚の話が進んでいたという経緯は、慎重に見られます。ご本人たちにとっては自然な流れでも、書面にすると唐突に映るためです。
第4 足りないと感じたら、「いつ出すか」を考える
回数や交際期間に不安があるとき、いちばん現実的な打ち手は申請の時期を選ぶことです。
あと一度会う。ご家族に紹介する。二人の関係を、二人の外へ開いていく。そうやって時間を重ねてから出したほうが、結果につながることがあります。何をどこまで行うかは、お二人の事情——距離、費用、休暇、ご家族の状況——によってまるで違いますので、ここで一般的な答えを書くことはできません。
ただ、ひとつはっきり申し上げられることがあります。急いで出して不許可になると、かえって遠回りになります。不許可という結果そのものが記録に残りますし、再申請には時間も労力もかかります。数か月待つことで通る見込みが上がるなら、待つほうが早い——そういう場面は、実際にあります。
もっとも、待てない事情があることも承知しています。在留期限が迫っている、お子さんの予定がある、といった場合です。そのときは、リスクを分かったうえで出すという判断もあり得ます。どちらを選ぶかは、状況を並べてから決めることです。
第5 一度だめでも、終わりではありません
結婚の信憑性を理由に不許可となった場合でも、そこで終わりではありません。
考えてみれば当然のことですが、審査を待っていた期間も、再申請の準備をしている期間も、お二人は夫婦として過ごしています。その時間は、そのまま関係の実績になります。最初の申請では足りなかったものが、数か月後には備わっている——ということが起こります。
ただし、再申請でまず必要なのは、なぜ不許可になったのかを正確に知ることです。理由が分からないまま出し直しても、同じ結果になります。この点は、また別の記事で詳しくお伝えします。
まとめ
- 「何回以上なら許可」という決まりはありません。目安の数字は存在しません
- 質問書は、回数だけでなく期間を書かせます。同じ2回でも中身が違えば結論も違います
- 見られているのは回数そのものではなく、結婚が本当のものかどうかです
- 会えなかったことと、関係が薄いことは同じではありません
- 不安があるときの打ち手は、いつ出すかを選ぶこと。急いで不許可になるほうが遠回りです
「回数が少ないから、うちは無理だ」と、申請そのものを諦めてしまう方がいらっしゃいます。けれども、そう決まったわけではありません。逆に、「回数は足りているから大丈夫」と安心していて、別のところでつまずく方もいます。
どちらも、ご自身では見えにくいところです。出す前に一度、経緯を並べて確かめてみてください。当事務所は許可保障制度を設けており、お引き受けする以上は許可までお持ちする考え方ですので、その見極めを大切にしています。手続きの流れとご費用は国際結婚・配偶者ビザのページをご覧ください。
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結婚の信憑性の次に見られるのが、お金の話です。
※公開後にURLを差し替えてください - 在留資格とは何か?
「ビザ」と在留資格の違いから。制度の土台を知りたい方へ。
※ 本記事は一般的な情報をまとめたものです。審査は個々の事案における諸般の事情を総合的に考慮して行われ、回数や期間によって結論が決まるものではありません。実際のお手続きの際は、申請先の入管または当事務所へご確認ください。
やさしい にほんご
これは やさしい 日本語(にほんご) の ページです。
上(うえ)の 文章(ぶんしょう)と 同(おな)じ 内容(ないよう)を、かんたんな 言葉(ことば)で 書(か)いて います。
「何回(なんかい) 会(あ)えば、ビザが もらえますか」
よく ある 質問(しつもん)です。
決(き)まった 回数(かいすう)は ありません
「3回 会えば OK」「5回 会えば OK」
そういう 決まりは ありません。
でも、回数(かいすう)が 少(すく)ない と、審査(しんさ)は きびしく なります。
入管(にゅうかん)が 見(み)て いる こと
入管は、回数を 数(かぞ)えて いる のでは ありません。
本当(ほんとう)の 結婚(けっこん)か どうかを 見て います。
世界(せかい)には、ビザの ためだけの 結婚も あります。
だから 入管は、紙(かみ)で たしかめます。
質問書(しつもんしょ)には、会った 回数と いつから いつまでを 書く ところが あります。
同(おな)じ「2回」でも、ちがいます
Aさんの「2回」
1回目は 2週間(しゅうかん)。ほとんど 毎日(まいにち) いっしょ。
2回目も 10日(とおか)。
Bさんの「2回」
1回目は 1泊2日(いっぱく ふつか)。
2回目は 2泊3日。
同じ「2回」でも、いっしょに いた 日(ひ)が ぜんぜん ちがいます。
だから 回数だけでは 決まりません。
会えなかった 理由(りゆう)
回数が 少ない 人は、たいてい 遠(とお)くに 住(す)んで いた 人です。
飛行機(ひこうき)の お金も、休(やす)みも 必要(ひつよう)です。何回も 行(い)けません。
「会えなかった」ことと、「愛(あい)が ない」ことは、ちがいます。
大切(たいせつ)なのは、会えない 時間(じかん)に 何(なに)を して いたかです。
回数が 少なく なりやすい 人
- 遠くに 住んで いた 2人(ふたり)
- 結婚相談所(けっこん そうだんじょ)で 会った 2人
→ 早(はや)く 結婚する ことが 多(おお)いです - 知(し)り合(あ)って から すぐに 結婚した 2人
紹介(しょうかい)で 会った ことは、悪(わる)い ことでは ありません。
正直(しょうじき)に 書けば いいです。
心配(しんぱい)な とき
いちばん いい 方法(ほうほう)は、「いつ 申請(しんせい)するか」を 考(かんが)えることです。
もう 1回 会う。家族(かぞく)に 紹介する。
すこし 時間を かけて から 申請すると、いい ことが あります。
いそいで 出(だ)して、だめに なると、もっと 時間が かかります。
だめだった 記録(きろく)が 残(のこ)ります。
もう 一度(いちど) 出す のも、たいへんです。
でも、待(ま)てない 理由が ある 人も います。
ビザの 期限(きげん)、子(こ)どもの こと。
その ときは、いっしょに 考えましょう。
1回 だめでも、おわりでは ありません
だめだった あとも、2人は 夫婦(ふうふ)です。
待って いる 時間も、2人の 時間に なります。
だから、あとで もう 一度 出して、OKに なる 人も います。
でも 先(さき)に、なぜ だめだったかを 知る ことが 大切です。
こまった ときは、電話(でんわ)して ください。
045-900-4871
やさしい 日本語で 話(はな)します。
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