ビザが不許可になったらどうなるの?

「不許可になりました。もう日本にいられないのでしょうか」——結果が出たあとに、よくいただくご相談です。

【ざっくりいうと】

不許可は、日本を出ることが決まった瞬間ではありません。もう一度、申請できます。
次にどう動くかは、その日に窓口で告げられる理由の中身で決まります。

目次

総論

在留資格の変更も在留期間の更新も、入管が「変更(更新)を適当と認めるに足りる相当の理由がある」と判断したときに許可されます(入管法20条、21条)。その判断が許可に至らなかったとき、結果ははがきかメールで知らされます。

更新や変更が不許可になっても、いま持っている在留資格と在留期間はなくなりません。在留カードに書かれた満了日までは、これまでどおり適法に日本にいられますし、その日までにもう一度申請することもできます。

入管も、在留期間内に処分することを原則としています(審査要領)。ただ実際には、審査が満了日を越えることが少なくありません。

不許可が告げられた時点どうなるか
在留期間がまだ残っている満了日まで、これまでどおり在留できます。その日までに申請すれば、審査中も日本にいられます
在留期間が過ぎている出国準備の在留資格に移り、そこから出し直します。この記事が書いているのは、こちらです

では、満了日を過ぎたあとに不許可を告げられたら、そこで日本を出ることが決まってしまうのでしょうか。仕事も住まいも、家族も、生活はここにあります。荷物をまとめる話をされるのか、それともまだ手が残っているのか。

手は残っています。もう一度、申請できます。ただし出し直す道は2つあり、どちらを選ぶかは、その日に告げられる理由の中身で決まります。そして使える時間は、その日にパスポートへ押される日数で決まります。

なお、海外から呼び寄せる申請が不交付になった場合は、期限に追われません。資料を整えてから、何度でも出し直せます。

【通知が届いてからの道すじ】

第1 窓口で理由を聞き、その場で申出書を出す
不許可の通知(はがき/メール)→ 指定された日に入管へ → その場で理由を聞く
 申出書を出す → 出国準備の「特定活動」に切り替わる
 申出書を出さない → 正式な不許可処分 → 警備部門へ引渡し → 退去強制の手続

第2 与えられた日数が、入管の見立てを表している
出国準備の在留期間を確かめる
 30日以下 → 再申請しても、審査の途中で在留期間が切れる
 31日以上 → 結果が出るまで日本にいられる(上限3か月)

第3 出し直す道は2つ。理由の中身で選ぶ
 資料が足りなかった → 日本にいたまま、もとの在留資格へ再申請
 在留のしかたを問われた → いったん出国 → 在留資格認定証明書(COE)で呼び寄せ

第1 窓口で理由を聞き、その場で申出書を出す

在留期間を過ぎてから許可しないと判断したとき、入管はいきなり不許可の処分をしません。まず「申請どおりの内容では許可できません」と書いた通知書を渡し、申請の内容を出国準備に変える申出書を出すかどうかを確かめます(入管の審査要領)。

では、その申出書は出したほうがいいのでしょうか。出国の準備と書かれた紙にその場で署名すれば、帰ることに同意したと受け取られ、もう一度申請する道が閉じるようにも読めます。

出してください。申出書を出しても、再申請の道は閉じません。閉じるのは、出さなかったときです。そのうえで、その場で理由をできるだけ具体的に聞いてください。次に取る手が、理由で変わります。

1 日時の指定が不許可の合図。その場で理由を聞く

許可のときは、新しい在留カードを受け取る窓口が案内されます。許可が出なかったときは、窓口ではなく日付と時刻が指定されます。「◯月◯日◯時に、◯◯審査部門へお越しください」。

届き方は、申請のしかたで変わります。窓口で申請した方にははがきが郵送され、オンラインで申請した方にはメールが届きます。書かれている中身は同じです。

その日に窓口へ行くと、「申請どおりの内容では許可できません」と書かれた通知書が渡されます。正式な不許可の処分は、まだされていません。

理由は、その場で担当の審査官から説明されます。ここでどれだけ具体的に聞き取れるかが、そのあとのすべてを決めます。「収入の裏づけが足りない」のか「結婚の信ぴょう性に疑いがある」のかで、次に取る手がまったく違うからです。行政書士や弁護士は、この聴取に同席できます。

聞き取った理由は、大きく2つに分かれます。出した資料が足りなかったのか、これまでの在留のしかたそのものなのか。この分かれ目が、そのあとに選ぶ道を決めます。

在留資格よく告げられる理由
技人国などの就労系仕事の中身が在留資格の枠に入らない。学歴や実務経験と仕事がつながらない。会社の事業が安定していない
日本人の配偶者等・家族滞在結婚の信ぴょう性に疑いがある。同居していない。生計が立たない
留学出席率や成績。学費と生活費を出せる裏づけがない
どの在留資格でも資格外活動の時間を超えている。届出をしていない。税金の未納がある

2 申出書を出すと、出国準備の在留資格に移る

通知書を渡した審査官は、申請の内容を出国準備を目的とするものに変える意思があるかを確かめます。あると答えれば「申請内容変更申出書」を提出し、在留資格が出国準備のための「特定活動」に変わります。

このとき、当初の申請に対する正式な不許可処分はされません(審査要領)。

期間内にきちんと申請したのに、審査が長引いて期間が過ぎ、そのあとで不許可になった。それだけで不法残留として扱うのは公正といえない。在留資格を残したまま準備の時間を与える、救済のしくみです。

3 出さないと、その場で退去強制の手続に進むことがある

出す意思がないと答えた場合、入管は正式な不許可処分を行い、不許可通知書を交付したうえで、警備部門に引き渡します(審査要領)。在留期間がすでに過ぎていれば、その時点で不法残留です(入管法24条)。収容され、退去強制の手続が始まることもあります。

署名を断ると、その場で在留資格がなくなります

署名すれば、出国準備の在留資格が残ります。
断れば、その日に在留資格を失います。
残しておくほうが、再申請の時間も準備の時間も手に入ります。

なお、この扱いを受けられるのは、これまでの在留の状況がひどく悪くない場合です。偽造した書類などをわざと出していたときは、申出書の機会が与えられないことがあります。

第2 与えられた日数が、入管の見立てを表している

申出書を出すと、在留資格が出国準備のための「特定活動」に変わります。このときの在留期間は、入管の審査要領で「特段の事情がない限り30日以下」と決められています。

では、自分に31日や3か月がついていたら、それは何を意味するのでしょうか。同じように許可が出なかった人でも、日数が違うと聞きます。長くもらえたのは運がよかっただけなのか、それとも何か理由があるのか。

理由があります。30日を超える日数は、入管が「もう一度出せば通る見込みがある」と見たときにだけ付きます。この1日の差が、再申請の間に日本にいられるかどうかを分けます。

1 30日以下だと、再申請しても審査中に在留期間が切れる

在留資格の変更を申請すると、審査中に在留期間が過ぎても、結果が出るまで、または満了から2か月が過ぎるまでは、そのまま日本にいられます。これを特例期間といいます(入管法20条、21条)。

この条文には、括弧書きがついています。「30日以下の在留期間を決定されている者から申請があつた場合を除く」。

出国準備の在留期間再申請したときの審査中
30日以下特例期間なし。審査の途中で在留期間が切れます
31日以上特例期間あり。結果が出るまで日本にいられます

30日以下でも、再申請そのものはできます。実務では短期滞在で在留をつなぐ扱いがとられることもありますが、条文の上での保障はありません。

2 31日以上がつくのは、再申請で通る見込みがあると見られたとき

その「特段の事情」を、審査要領は次のように書いています。

申請人に、もとの申請の内容についてもう一度申請する意思があり、かつ、再申請がされた場合には、新たな資料の提出によってもとの不許可理由が払拭され、許可となる可能性が相当程度認められること

31日以上は、入管が「資料を足せば通る余地がある」と見た印です。30日以下は、その余地を認めなかったことになります。上限は3か月です。

3 この期間は働けず、住民票もなくなる

出国準備の「特定活動」で指定される活動は、「本邦から出国するための準備のための活動及び日常的な活動」です。そこから「報酬を受ける活動」が除かれています。働けません。アルバイトもできません。

在留期間が3か月以下なので、在留カードも交付されません(入管法19条の3)。中長期在留者ではなくなるため、住民票からも外れます。

この期間、生活は止まります

  • 収入が入ってこない前提で、この期間を計画します
  • 在留カードも住民票もないため、銀行や携帯電話の手続きが止まることがあります

第3 出し直す道は2つ。理由の中身で選ぶ

再申請には、①日本にいたまま出国準備の在留資格から変更を申請する道と、②いったん出国して在留資格認定証明書の交付を申請し、あらためて呼び寄せてもらう道があります。

では、自分から日本を出てしまって大丈夫なのでしょうか。確かに、一度断られた人が国外から出し直して、日本にいるより通りやすくなるとは思えません。

しかし、断られた理由によっては、出たほうが通ります。日本にいたまま出す申請と、国外から呼び寄せる申請とでは、入管が審査する条文が違うからです。

1 資料が足りないと言われたなら、日本にいたまま出し直す

告げられた理由が「収入の裏づけが足りない」「仕事の中身が説明できていない」といった立証の不足であれば、足りないものを足せば足ります。日本にいたまま、出国準備の「特定活動」から、もとの在留資格への変更を申請します。

再申請の前に、審査を担当する入国審査官へ事情を説明し、受理してもらえるかを事実上たしかめる慣行があります。「受理確認」と呼ばれます。法令上の要件ではないので、得られなくても再申請はできますし、受け付けないことは違法です。

最初の審査に1か月から3か月、そのあとの準備に数週間。この時間も、そのまま材料になります。前回の申請には出せなかった資料が、この間に用意できます。結婚の実体なら写真とやりとりの記録、仕事の中身なら業務内容を具体化した書面です。

2 これまでの在留のしかたを問われたなら、出国して呼び寄せを検討する

告げられた理由が、これまでの在留のしかたそのものであることがあります。アルバイトの時間を大きく超えていた、学校を退学していた、技能実習の勤務先を離れていた、税金を納めていなかった。

過去は変えられません。資料を足しても、いったん下された「在留の状況がよくない」という評価を覆すのは簡単ではありません。ここで検討するのが、いったん出国して在留資格認定証明書の交付を申請する道です。実務では「リセット」と呼ばれます。

リセットで消えるものと、消えないもの

  • 消えるもの … 在留のしかたに対する評価(アルバイトの超過、退学、失踪など)
  • 消えないもの … 上陸を拒否される事由(懲役1年を超える刑を受けた場合など)、過去に強制送還されたこと

3 出国すると結論が変わるのは、審査する条文が違うから

在留資格の変更が許可されるのは、入管が「変更を適当と認めるに足りる相当の理由がある」と判断したときです(入管法20条)。この「相当の理由」のなかで、在留のしかたが見られます。

これに対して在留資格認定証明書の交付は、入管法7条が並べる上陸のための条件を満たすかどうかで決まります。旅券と査証、活動が偽りでなく在留資格に当てはまること、在留期間が省令に合っていること、上陸を拒否される事由に当たらないこと。この4つです。「相当の理由」は、ここに入っていません。

在留のしかたを理由に断られたときは、国外から出し直すほうが通ることがあります。ただし過去がなかったことになるわけではなく、これまでの在留の状況について反省文や誓約書を添えて出すことになります。

認定証明書の審査は1か月から3か月。交付から3か月以内に、査証の発給を受けて日本に上陸するところまで済ませる必要があります(入管法施行規則6条の2)。

まとめ

  • 不許可になっても、在留期間が残っていれば満了日までは適法に在留できます。まず在留カードの満了日を見ます
  • 不許可の通知には、受け取り窓口ではなく日付と時刻が書かれています。窓口申請ならはがき、オンライン申請ならメールです
  • その日に渡されるのは「申請どおりでは許可できません」という通知です。正式な不許可処分は、まだされていません
  • 申請内容変更申出書を出せば、出国準備の「特定活動」に移ります。出さないと、その場で在留資格を失います
  • 理由は、その場でできるだけ具体的に聞きます。次に取る手が、理由で変わるからです
  • 在留期間が30日以下だと、再申請しても審査の途中で在留期間が切れます。31日以上は、入管が通る見込みを認めた印です
  • この期間は働けません。在留カードも住民票もなくなります
  • 立証が足りないなら日本にいたまま出し直します。在留のしかたを問われたなら、いったん出国して呼び寄せる道を検討します。変更の許可には「相当の理由」が要りますが、認定証明書の交付にはこの条件がありません

不許可の通知を受け取った日から、動ける時間は決まっています。30日なら、理由を聞き、資料を集め、申請するまでが1か月です。

その日にすることは、2つだけです。理由をできるだけ具体的に聞くこと。そして、申出書に署名すること。この2つをしておけば、あとで選べる手が残ります。

あわせて読みたい

※ 本記事は、出入国管理及び難民認定法の条文、裁判例、および入管の審査に関する公表資料をもとに、一般的な情報としてまとめたものです。運用は改定されることがあります。また、在留資格の判断は個々の事案の内容を踏まえて行われます。実際のお手続きの際は、申請先の入管または当事務所へご確認ください。


やさしい にほんご

これは やさしい 日本語(にほんご) の ページです。
上(うえ)の 文章(ぶんしょう)と 同(おな)じ 内容(ないよう)を、かんたんな 言葉(ことば)で 書(か)いて います。

この ページは、ビザが だめだった ときの 話(はなし)です。
ビザの 更新(こうしん)変更(へんこう)を 申請(しんせい)して、不許可(ふきょか)に なった 人の ための ページです。
どの ビザでも、する ことは おなじです。

だめでも、もう 一度(いちど)申請できます。
でも、する ことの 順番(じゅんばん)が とても 大切(たいせつ)です。

まず、在留カードを 見(み)て ください

在留カードに 「いつまで」と 書(か)いて あります。

ビザが だめでも、この 日(ひ)までは 日本に いられます
すぐに 出(で)なくても いいです。
この 日までに、もう 一度(いちど)申請(しんせい)できます

でも、入管(にゅうかん)の 審査(しんさ)は 時間(じかん)が かかります。
この 日を すぎて から 「だめ」と 言(い)われる ことが 多(おお)いです。
その ときの 話(はなし)を、これから します。

おしらせが 来(き)ます

入管(にゅうかん)から おしらせが 来ます。
まどぐちで 申請した 人には はがき
インターネットで 申請した 人には メールです。

おしらせに 書いて ある こといみ
まどぐちの 番号(ばんごう)「◯階の ◯番まどぐちへ」OKです。在留カードを もらいに 行きます
日(ひ)と 時間(じかん)「◯月◯日 ◯時に 来て ください」だめでした

その 日に する ことは、2つ です

入管に 行くと、紙(かみ)を もらいます。
「あなたの 申請は、この ままでは OKに できません」と 書いて あります。

この とき、2つの ことを して ください。

1 どうして だめだったか、よく 聞(き)く
「お金(かね)が すくない」ですか。
「けっこんが ほんとうか わからない」ですか。
りゆうが ちがうと、つぎに する ことが ちがいます。

2 「申請内容変更申出書」に サインする
入管の 人が「この 紙に サインしますか」と 聞きます。
サインして ください。

サインすると、ビザが 「出国準備(しゅっこく じゅんび)」に かわります。
この ビザが ある あいだに、もう 一度 申請できます

サインしないと、その 日に ビザが なくなります

ビザが ない 人は、つかまる ことが あります。
そして 国(くに)に かえされる 手続(てつづ)きが はじまります。
かならず サインして ください。

パスポートの 数字(すうじ)を 見(み)て ください

「出国準備」の ビザには、何日(なんにち)と 書いて あります。
この 数字が とても 大切です。

数字いみ
30日や それより みじかい入管は「もう 一度 出しても むずかしい」と 見て います。もう 一度 申請しても、とちゅうで ビザが きれます
31日や もっと ながい入管は「もう 一度 出せば OKに なる かも しれない」と 見て います。申請すれば、けっかが 出るまで 日本に いられます

いちばん ながくても 3か月です。

この あいだは、はたらけません

「出国準備」の ビザでは、お金を もらう しごとが できません
アルバイトも できません。

そして、在留カードが もらえません
住民票(じゅうみんひょう)も なくなります。
銀行(ぎんこう)や 携帯電話(けいたいでんわ)の 手続きが できなく なる ことが あります。

もう 一度 申請する 方法(ほうほう)は、2つ あります

どちらに するかは、だめだった りゆうで きめます。

だめだった りゆうどう する か
しょるいが たりない
(お金の しょるい、けっこんの しゃしん など)
① 日本に いた まま、しょるいを ふやして もう 一度 申請します
いままでの 生活(せいかつ)に もんだいが あった
(アルバイトの しすぎ、学校を やめた、しごとから にげた、ぜいきんを はらって いない)
② 一度 くにに かえって、日本の 家族(かぞく)に よんで もらいます

「一度(いちど)だめだったのに、くにに かえって 出(だ)しても おなじだろう」
そう 思(おも)う かも しれません。
でも、かえった ほうが OKに なる ことが あります

日本の 中(なか)から 出す 申請と、外(そと)から 出す 申請は、見る ところが ちがうからです。
外から 出す 申請では、いままでの 生活を 見る きまりが ありません

ただし、けいさつに つかまって 1年より ながい けい を うけた 人や、むかし 日本から 出された 人は、これでも 消(き)えません。

だめに なる りゆうは、だいたい きまって います

おおく あるのは、この 4つです。

  • しごとの 中身(なかみ)が ビザに あわない … はたらく ビザの とき
  • けっこんが ほんとうか わからない・いっしょに 住(す)んで いない … けっこんの ビザの とき
  • お金(かね)が たりない・ぜいきんを はらって いない … どの ビザでも 見られます
  • アルバイトを しすぎた・とどけでを して いない … どの ビザでも 見られます

だめだった あとの 2か月、3か月も、たいせつな 時間(じかん)です。
この あいだに、まえの 申請で 出せなかった しょるいを あつめます。
けっこんの ビザなら しゃしんLINEの きろく
はたらく ビザなら、しごとの 中身を くわしく 書いた 紙(かみ)です。

いちばん 大切な こと

だめだった 日に、2つだけ して ください。

1 どうして だめだったか、よく 聞く
2 紙に サインする

この 2つを すれば、まだ できる ことが あります
時間(じかん)が みじかいです。はやく 相談(そうだん)して ください。

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山脇 俊明
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