在留期間はいつから申請できる?

「在留期間の更新は、いつから申請できますか?」——これは、当事務所にいちばん多く寄せられるご質問のひとつです。早すぎても受け付けてもらえませんし、遅すぎると取り返しのつかないことになります。しかも、更新と変更では「いつから」のルールが違います。

この記事では、更新はいつから/変更はいつからという基本のルールと、もし間に合わなかったら・審査が終わらなかったらどうなるのか(特例期間)を、順番に整理します。横浜で入管業務を中心に扱う行政書士の実務目線で、専門用語はできるだけかみくだいて説明します。

目次

まず結論——申請の時期は「手続きの種類」で決まる

細かい話に入る前に、全体像だけ先にお伝えします。

在留期間の更新
(同じ在留資格で続ける)
在留資格の変更
(違う在留資格に変わる)
いつから在留期間の満了日のおおむね3か月前から変更の事由が確定したときから
いつまで在留期間の満了日まで(両方に共通)
間に合わないとオーバーステイ(不法残留)になり、退去強制の対象になります

いちばん大事なのは、いちばん下の行です。期限は、どちらも「在留期間の満了日まで」。ここを1日でも過ぎると、話がまったく別のものになってしまいます。

1 在留期間の更新は「満了日の3か月前」から

いまの在留資格をそのまま続けたいときの手続きが、在留期間更新許可申請です(入管法21条)。同じ会社で同じ仕事を続ける方、留学を続ける方、日本人の配偶者としての在留を続ける方などが、これにあたります。

この申請は、在留期間の残りがおおむね3か月以内になった時点から受け付けてもらえます。たとえば在留期限が9月30日の方なら、7月に入ったころから申請できる、というイメージです。

【ポイント】更新申請を受け付けてもらえる時期

  • 在留期間が6か月以上の方 … 満了日のおおむね3か月前から
  • 在留期間が3か月以下の方 … その期間の半分ほどが過ぎたころから
  • 入院や長期の出張など特別な事情があるときは、3か月以上前でも受け付けてもらえることがあります

「3か月前から」は、ぎりぎりまで待っていい、という意味ではありません

ここを誤解される方がとても多いところです。3か月前という数字は、受付が始まる日であって、締切ではありません。

審査には時間がかかります。標準的な処理期間は2週間から1か月程度とされていますが、実際には申請の内容や時期によって、2か月、3か月とかかることもめずらしくありません。さらに、審査の途中で入管から追加の資料を求められることもあります。そのやりとりの時間も見込んでおく必要があります。

ですから、受付が始まったら、できるだけ早く申請するのが基本です。会社で外国人を雇用されている場合は、社員ごとの在留期限をリスト化して、「3か月前になったら声をかける」という仕組みにしておくと確実です。

オンライン申請は「満了日の当日」には使えません

これは、意外と知られていない落とし穴です。在留申請オンラインシステムは24時間365日使えて便利なのですが、在留期限の最終日(満了日の当日)に、オンラインで申請することはできません。また、在留期限を過ぎてしまった場合も、オンラインでは申請できません。

いずれの場合も、管轄の入管の窓口に直接行くことになります。「最終日の夜にオンラインで出せばいい」と考えていると、その日の夕方に窓口が閉まっていて、どうにもならなくなります。

窓口の受付時間は、平日の午前9時から12時、午後1時から4時までです(土日祝日は閉庁)。満了日の当日に窓口へ行く、というのは最後の手段だとお考えください。

2 在留資格の変更は「事由が確定したとき」から

いまとは違う在留資格に変わりたいときの手続きが、在留資格変更許可申請です(入管法20条)。留学を終えて就職する、転職して仕事の内容が変わる、日本人と結婚して身分にもとづく在留資格に変える、といった場合です。

こちらは、更新とはルールが違います。変更の事由が確定した時点から受け付けてもらえます。「残りが3か月以内になったら」ではありません。ここは、はっきり分けて覚えてください。

【ポイント】「変更の事由が確定した」とは

  • 就職先が決まって、雇用契約を結んだとき
  • 転職先が決まって、雇用契約を結んだとき
  • 日本人・永住者と婚姻が成立したとき

逆に、「そろそろ転職しようと思っている」という段階では、まだ事由が確定していないので、申請しても受け付けてもらえません。

在留期限にまだ1年以上あっても、変更の事由が確定していれば、その時点で申請します。むしろ、事由が確定したのに変更手続きをせずに放置するほうが問題です。いまの在留資格に対応しない仕事をすれば不法就労になりますし、いまの在留資格の前提となる事実がなくなっていると、在留資格を取り消される対象になることもあります。

【実務メモ】「更新のタイミングで一緒に変更すればいいと思っていた」というご相談を受けることがありますが、これは危険な考え方です。変更は変更で、事由が確定したら速やかに。この順番を崩さないでください。

3 審査が終わらないまま在留期限が来たら——「特例期間」

期限内にきちんと申請したのに、在留期限までに結果が出ない。これは、実務ではよくあることです。このとき外国人の方を守ってくれるのが、特例期間という仕組みです(入管法21条4項、20条6項)。

むずかしい名前ですが、中身はシンプルです。在留期限までに更新・変更を申請していれば、期限を過ぎても、結果が出るまでのあいだは、いまの在留資格のまま日本にいてよい——という仕組みです。

特例期間の3つのポイント

  1. 条件… ①在留期間が30日を超える方が、②在留期間の満了日までに更新または変更を申請していること
  2. 長さ… 「結果が出た日」か「もとの在留期限から2か月が過ぎる日」の、どちらか早いほうまで
  3. 効果… その間は、これまでの在留資格のまま日本に在留できます

たとえば在留期限が9月30日で、8月に更新を申請し、まだ結果が出ていない場合。10月1日以降も引き続き在留でき、そのタイムリミットは11月30日です。

特例期間には、二つの限界があります

ひとつめ。在留期間が30日以下の方には、特例期間がありません。この場合、期限内に申請していても、在留期間が過ぎた時点でオーバーステイの状態になってしまいます(判例もこの立場です)。もっとも、期限内に申請が受理されていれば、パスポートに申請受理のスタンプが押されます。実務上は、そのページを見せられるようにしておけば、結果が出る前に逮捕されたり収容されたりすることは、まず考えられません。30日以下の在留期間の方は在留カードを持っていませんので、パスポートを必ず持ち歩いてください(入管法23条1項)。

ふたつめ。特例期間は「2か月」で終わります。この2か月を過ぎても結果が出なかった場合、その後は不法残留の状態になってしまう、というのが裁判所の考え方です(最高裁平成17年4月21日決定ほか)。もっとも、特例期間の導入にあわせて、入管の側でも「満了後2か月以内に処分を行う」という運用がとられています。実際に2か月を超えそうな場合は、そのまま待つのではなく、必ず申請先に確認してください。

4 特例期間中に、仕事はできる?——ここがいちばんの分かれ道

「在留期限は過ぎたけれど、審査中だから大丈夫ですよね? このまま働いていていいですよね?」

この質問には、「更新の場合と変更の場合で、答えがまったく違います」とお答えしています。ここを取り違えると、不法就労になってしまいます。ご本人だけでなく、雇っている会社の側も罰せられる可能性がある、非常に重要なポイントです。

更新の申請中 → 働けます

在留期間更新の申請にともなう特例期間中は、これまでの在留資格をもって在留していることになります。ですから、これまでどおりの仕事を続けることができます(その在留資格で認められている活動の範囲内であることが前提です)。

変更の申請中 → 働けないことが多いです

問題はこちらです。在留資格変更の申請にともなう特例期間中は、これまでの在留資格の前提がすでに失われていることが多いのです。前提が失われていれば、これまでの在留資格で働くことはできません。それをすると、不法就労になってしまいます。

そもそも、変更の事由が確定したからこそ変更を申請しているわけですから、前提が失われているのは、ある意味で当然のことなのです。

【注意】特例期間中に働けない典型例

  • 技能実習2号・3号からの変更(例:特定技能1号へ)
    … 認められた技能実習計画がすでに終わっているため
  • 会社を辞めてからの転職による変更
    … 特定技能、高度専門職1号、大学卒業者としての「特定活動」(告示46号)など、勤務先が個別に決められている在留資格で、その会社との契約が終わっている場合

転職のときは、辞める前に申請すると結論が変わります

同じ転職でも、いまの会社をまだ辞めていない段階で、転職先と「在留資格の変更が許可されたら働き始める」という内容の雇用契約(許可を停止条件とする契約、あるいは就労の始期を定めた契約)を結び、その上で変更を申請した場合は、話が変わります。

この場合、いまの会社との契約はまだ生きていますから、これまでの在留資格の前提は失われていません。したがって、特例期間中も、いまの会社で(これまでの在留資格の範囲内で)働き続けることができます

【実務メモ】転職のご相談では、この「辞めるタイミング」と「申請のタイミング」の順番を、いつも真っ先に確認します。順番ひとつで、審査中の数か月間、収入があるかないかが変わってしまうからです。

資格外活動許可・再入国について

  • 在留期限より前に受けていた資格外活動許可(アルバイトの許可)は、特例期間中も有効です。特例期間中に新たに申請することもできます。
    ただし「留学」の包括的な資格外活動許可は、学校に在籍しなくなった時点で効力を失います。卒業・退学された方はご注意ください。
  • 特例期間中でも、みなし再入国許可を使って出国・再入国することは可能です。ただし戻れるのは特例期間が終わる日(もとの在留期限から2か月)までです。審査の結果を待つあいだの一時帰国は、慎重にご検討ください。
  • 特例期間中に、そのまま日本を出国してしまうと、申請は取り下げたものとして扱われます

「私の場合は働いていいの?」と迷ったら、動く前にご相談ください

申請のタイミング、退職と申請の順番のご相談も承っています。初回相談は無料です。

5 申請そのものを忘れていた場合

ここまでは「期限内に申請した」場合の話でした。最後に、申請自体を忘れてしまった場合について書きます。厳しい話になりますが、いちばん大切なところです。

満了日の当日に気づいたら

一刻も早く、入管の窓口へ向かってください。書類が全部そろっていなくてもかまいません。あるものだけを持って行き、「足りない分はすぐに追加で出します」と伝えて、受理してもらえるよう交渉してください。

受付時間(平日16時まで)を過ぎていても、受理しないとオーバーステイになってしまうという事情が認められる場合には、受理することができるとされています。あきらめずに窓口へ行ってください。

また、在留期間の満了日が土日祝日にあたる場合は、その直後の開庁日に申請すれば、通常の受付期間内の申請として受理する取扱いとされています。この場合も、開庁日の朝いちばんに向かってください。

すでに期限を過ぎてしまったら

期限を過ぎると、原則として更新・変更の申請はできません。ただし、事情によっては例外的に受け付けてもらえる取扱い(特別受理)があります。

言いかえると、事故や病気などの本当にやむを得ない事情がなく、単にうっかり忘れていて、しかも2か月を超えている——という場合、特別受理される可能性はほとんどありません。

受け付けられなかった場合は、退去強制手続に進みます。そのなかで在留特別許可を求めていくことになりますが、許可される保証はどこにもありません。

【いちばん大切なこと】絶対に、逃げないでください

在留期間を過ぎてしまうと、退去強制の対象になり(入管法24条4号ロ)、不法残留罪という刑事罰の対象にもなります(同法70条1項5号。3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金など)。怖くなって隠れてしまう方がいますが、それはいちばん悪い選択です。

特別受理も在留特別許可も、日数が経てば経つほど、可能性は下がっていきます。気づいたその時点で、すぐに入管へ、あるいは専門家にご相談ください。

会社で外国人を雇用されている方へ

在留期限の管理は、ご本人だけの問題ではありません。

ひとりでもオーバーステイの方を出してしまうと、その会社は労務管理の体制に不備があると評価されかねません。そしてそれは、ほかの外国人社員の在留手続きにも不利に働くことがあります。在留資格の審査では、勤務先の適法性や、その会社での活動の安定性・継続性も見られているからです。

  • 外国人社員の在留カードの写しと在留期限の一覧を整備する
  • 期限の3か月前に自動でアラートが出るようにしておく
  • 更新の申請時期をあらかじめ計画し、申請したかどうかを会社として確認する
  • 転職・退職が関わる変更申請では、退職日と申請日の順番を事前に確認する

まとめ

  • 更新は、在留期限のおおむね3か月前から。3か月前は「受付開始日」であって締切ではありません。
  • 変更は、変更の事由が確定したときから。3か月前ルールではありません。
  • 期限はどちらも在留期限の当日まで。ただしオンライン申請は満了日の当日には使えません
  • 期限内に申請していれば、結果が出るまで最長2か月の特例期間があります(在留期間30日以下の方を除く)。
  • 特例期間中、更新なら働ける/変更なら働けないことが多い。ここが最大の分かれ道です。
  • 忘れてしまったら、その日のうちに入管へ。絶対に逃げないでください。

在留期間の手続きは、「早すぎず、遅すぎず」のタイミングが大切です。とはいえ、迷っているうちに時間が過ぎてしまうのがいちばんよくありません。「うちの場合はいつから?」「この順番で合っている?」と少しでも不安があれば、抱え込まずにご相談ください。状況をうかがったうえで、いちばん安全な進め方をご案内します。

※ 本記事は一般的な情報をまとめたものです。取扱いは個々の状況や時期、各入管の運用により異なる場合があります。実際のお手続きの際は、申請先の入管または当事務所へご確認ください。


やさしい にほんご

これは やさしい 日本語(にほんご) の ページです。
「在留期間(ざいりゅう きかん)の 更新(こうしん)や 変更(へんこう)は、いつ 申請(しんせい)できますか」を 説明(せつめい)します。

いちばん 大切(たいせつ)な こと

  • 更新は、在留期限(ざいりゅう きげん)の 3か月(さんかげつ)まえから できます。
  • 変更は、理由(りゆう)が 決(き)まった ときから できます。
  • どちらも 在留期限の 日(ひ)までに 申請して ください。
  • 1日(いちにち)でも おくれると、とても 大変(たいへん)です。

更新(こうしん)= おなじ 在留資格(ざいりゅう しかく)を つづける

おなじ 会社(かいしゃ)で おなじ 仕事(しごと)を つづける 人(ひと)。
学校(がっこう)を つづける 人。
この 人たちは 更新の 申請を します。

在留期限の 3か月まえから 申請できます。
たとえば 在留期限が 9月30日の 人は、7月ごろから 申請できます。

「3か月まえ」は スタートの 日です。「その日まで」では ありません。
審査(しんさ)は 1か月〜3か月 かかります。
だから はやく 申請して ください。

変更(へんこう)= ちがう 在留資格に かわる

学校を 卒業(そつぎょう)して 会社で 働(はたら)く 人。
ちがう 会社に 変わる 人。
日本人(にほんじん)と 結婚(けっこん)した 人。
この 人たちは 変更の 申請を します。

変更は 3か月まえの ルールでは ありません
理由が 決まった ときから 申請します。

  • 会社と 契約(けいやく)を した とき
  • 結婚が できた とき

「そろそろ 会社を 変えたい」だけの ときは、まだ 申請できません。

オンライン申請の 注意(ちゅうい)

在留期限の 最後(さいご)の 日は、オンラインで 申請できません。

その日は 入管(にゅうかん)に 行(い)って ください
入管の 受付(うけつけ)は 月曜日(げつようび)〜金曜日(きんようび)9時〜12時13時〜16時です。
土曜日(どようび)・日曜日(にちようび)・祝日(しゅくじつ)は お休(やす)みです。

在留期限が 来(き)ても、結果(けっか)が 出(で)ない とき

在留期限までに 申請した 人は、心配(しんぱい)しなくて いいです。
特例期間(とくれい きかん)」が あります。

特例期間(とくれい きかん)とは

在留期限までに 申請した 人は、期限(きげん)が すぎても、いまの 在留資格の まま 日本に いて いいです。

いつまで?
結果が 出る 日か、在留期限から 2か月(にかげつ)の、はやい ほうまで。

たとえば 在留期限が 9月30日の 人は、11月30日までです。

気(き)を つけて ください。
在留期間が 30日(さんじゅうにち)より みじかい 人は、特例期間が ありません

特例期間の あいだ、仕事(しごと)は できますか?

とても 大切です。よく 読(よ)んで ください。

更新(こうしん)の 申請中(しんせいちゅう)
→ 仕事は できます
 いままでと おなじ 仕事を つづけて ください。

変更(へんこう)の 申請中
→ 仕事は できない ことが 多(おお)いです。
 とくに 会社を やめた あとに 申請した 人は、できません。

わからない ときは、働(はたら)く まえに 入管か 専門家(せんもんか)に 聞(き)いて ください。
まちがえて 働くと、「不法就労(ふほう しゅうろう)」に なります。
あなたも、会社も、罰(ばっ)せられます。

アルバイトの 許可(きょか)=「資格外活動許可(しかくがい かつどう きょか)」は、特例期間の あいだも 使(つか)えます
でも、学校を やめた 人卒業した 人の「留学(りゅうがく)」の 許可は、使えません

申請を わすれて しまった とき

すぐに 入管に 行って ください。

  • 書類(しょるい)が 全部(ぜんぶ)なくても いいです。ある ものだけ 持(も)って 行って ください。
  • 「あとで すぐ 出(だ)します」と 言(い)って ください。
  • 在留期限の 日が 土曜日・日曜日・祝日の ときは、つぎの 平日(へいじつ)の 朝(あさ)に 行って ください。

ぜったいに 逃(に)げないで ください。
時間(じかん)が たつと、助(たす)けて もらえる 可能性(かのうせい)が どんどん 小(ちい)さくなります。
気づいた 日に、すぐ 相談(そうだん)して ください。

まとめ

  • 更新 … 在留期限の 3か月まえから
  • 変更 … 理由が 決まった ときから
  • 申請は 在留期限の 日まで
  • 最後の 日は オンラインで 申請できません。入管に 行きます
  • 申請した あとは、2か月まで 日本に いて いいです(特例期間)
  • 変更の 申請中は、仕事が できない ことが 多いです

投稿者プロフィール

山脇 俊明
山脇 俊明

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